コロナ禍の今、大学受験は感染症で決まり 
結核編①

今日は「結核」について取り上げます。試験問題を作る立場として、結核は受験問題を作りやすいテーマだと思います。


結核は近代日本で大流行し、「国民病」と呼ばれ恐れられた感染症です。
結核が日本全国に大流行した原因は「女工」なのです。
女工が悪いということではありません。むしろ、被害者です。
女工は、昼夜二交代制で1日あたり12時間から18時間も働かされていました。女工は工場側が作った寄宿舎で生活していましたが食事も良いものではなく、免疫力はどんどん低下していきました。また寄宿舎では、2人で1つの布団を使っていました。つまり、日中に働く人は夜に布団を使い、夜に働く人は昼に布団を使うという状態(両番使い)で、この行為が結核に感染する大きな原因とされています。布団を日干しできないため、除菌や乾燥ができないのです。


寄宿舎生活ですから、クラスターが起きやすいのですよ。
資本家は結核にかかった疑いがあるものは農村に帰らせ工場から追い出すのです。一応言っときますが、この当時、女工は農村の娘から募集をしていました。そうなると、農村部で結核が流行してしまうのです。
当時、多くの工場は全国の村々から女工を集めていたため、全国で大流行を起こしてしまったのです。


そういえば、有名な工場と言えば大阪紡績会社ですね。この会社の創設者はだれだ?みんな大好き新一万円札に決まった渋沢栄一です。個人的には福沢先生推しです。
(ライター 日本史担当 ハヤト)