共通テスト、数学 総評

共通テスト、数学

大学入試センターより共通テストの中間集計が報告されました.数学1Aは平均点が59.2点と昨年に比べ7点以上高い結果となりました.実生活と絡めた出題など読解力を求められる問題が印象的でしたが,これまでの試行調査と比べるとセンター試験を踏襲した保守的な出題にとどまったように感じます.

 試行調査では1次不定方程式の解の存在条件に関する問題が出題されるなど,与えられた問題をただ解くだけでなく,問題が解ける数学的論理の深い理解やそれをもとに考察できる能力が求められているように思えます.問題集の頻出問題が解けるのではなく,自分で授業が出来る能力に焦点が当てられているのではないでしょうか.

 たくさんの受験者がいる共通テストではある程度の平均点に収めることが要求されるので,急に出題方針ががらっと変わることはありませんが,高校生の正答率が非常に低かった試行調査が大学入試センターや文部科学省の目指すところならば,今後,教科書の深い理解が要求される問題がどんどん増えていくと予想されます.

 これから大学入試を控える皆さんは,「授業をする教師」の視点を意識して普段の学習に取り組むとよいのではないでしょうか?
(ライター 山下)