確率。

それは、日常のいたるところに潜んでいる考え方である。

中でも、降水確率、当選確率、ガチャでレアキャラの出る確率などは馴染みのある言葉だろう。

そんな確率について、多くの人はこのように考えるはずだ。

「当たる確率が10%のくじ引きは、10回引けば必ず当たる」

本当にそうだろうか。

実は、当たる確率が10%のくじ引きを10回引いたとき、

当たる確率は100%ではなく、わずか65%である。

この「直観に反する不思議な事実」をあなたは説明することができるだろうか。

実際に計算してみよう。

確率10%のくじを1本引いたとき

当たる確率は、$\frac{1}{10}$

外れる確率は、$\frac{9}{10}$

そして、10本引いて1本も当たらない確率は、

$(\frac{9}{10})^{10}$ = 0.348…

　≒0.35（35%）

つまり100回挑戦して35回は、10本引いても1本も当たらないということである。

裏を返せば、10本引いて当たりが出るのは100回中65回なのである。

これが、当たる確率が10%のくじ引きを10本引くときことの真実である。

いかがだっただろうか。

このように数学的に示される事実が直観に反することはよくある。

この記事を読んだあなたなら、100回ガチャを引いて出現確率1%のキャラが出なかったとしても、あなたが特別不運なわけではないと理解できるだろう。

（補足）

実は、直観通り「確率10%のくじ引きは、10回引けば必ず当たる」という状況もある。

それは、くじが10本しかなくて、くじが補充されないときだ。

くじをすべて引ききることができる状況は直観に合致する。

ただ、日常で遭遇する多くの場合は、くじが補充されたり、1000本中当たりが100本のように、くじをすべて引ききることが困難な場合が多いのではないだろうか。

(ライター: Fe）