「最近の若者は本を読まない」先日23歳になった私はそう思う。
それもそのはずである。情報を得るのも物語を楽しむのも全てネットで完結する。「読まない」のではなく、「読む必要がない」のである。
そんな世代にとって必要なのは「作品としての本」ではないだろうか。ここでいう作品とは、小説など中身としての作品という意味だけではない。紙の材質や大きさ、デザインも含め「紙で出来た一つのモノ」として、作品になっている本である。
私のお気に入りの「作品としての本」に、雷鳥社が出版している『星の辞典』がある。「辞典」というと大きくて固い本を想像させるかもしれないが、実際は文庫本がハードカバーになった可愛らしい本である。読みたいのは勿論のこと、持っていたい、飾りたいと思える本だ。
読みたい、持っていたい、ページをめくりたい、飾りたい、と思えるからこそ、紙の本を買う意味がある。表紙が目を引くだけの本や、お世辞にもオシャレとは言えない名著では足りないのだ。「ネットでしらべればいい」、「どうせ買っても読まない」本にならないためには、本を「作品」にしていかなければならないのである。
ただ、『星の辞典』のように、少なからず「作品としての本」は存在する。私は「最近の若者代表」として「作品としての本」を見つけていかなければ、と強く思う。
(ライター:ヨッシー)