今、この場を借りて私には断言したいことがある。
「ドイツ語は世界一難しい。」
嘘だと思う方はこの動画をぜひみてほしい。
動画↓
「German is the most difficult language in the world」
この動画では、ドイツ語の単語の複雑さが示されているが、ドイツ語の難しい点はここだけではないのである。
それらを述べる前に、何故私がドイツ語の難しさについてこんなにも熱弁しようとしているのか説明しよう。
私は大学の第二外国語でドイツ語を選択している。私の好きなアニメである『新世紀エヴァンゲリヲン』の中でドイツ語が使われているということもあり、私は中学生の時から大学の第二外国語ではドイツ語を学びたいと思っていたのだ。
いよいよ初回の授業が始まった。
「わあ、頑張るぞお」私は軽く意気込んだ。
だが、こんな淡い期待を持つ私にドイツ語は容赦がなかったのである。
ドイツ語にはアルファベットの他に奇妙な文字がある。
ä、ö、ü、ß…
なんだこの謎の点々は。難しすぎる。とても軽い意気込みで学ぼうとするものではない。
「できっこないよ!こんなの勉強できるわけないよ!」ドイツ語の洗礼を受けた私の中身のない叫びである。
ドイツ語を学び始めて約3ヶ月が過ぎようとしている。私はドイツ恐怖症になりかけていた。ドイツの国旗のカラーである黒、赤、黄の組み合わせを見るだけでも背筋が凍るし、先生がよく『アルプスの少女ハイジ(ドイツ語圏スイスの物語)』の話をするのでハイジの顔すらもまともに見ることができない。挙句の果てにはプレッツェルすらも怖い。『まんじゅうこわい』ならぬ『ぷれっつぇるこわい』である。
しかし、そんな私に対し、ドイツ語担当のネイティブスピーカーの先生は満遍の笑みで言った。
「ドイツ語、英語と変わらないデース。ドイツ語、簡単デース。」
ネイティブスピーカーの笑顔が悪魔の笑みに見えた。残酷なドイツ語のテーゼである。
その瞬間、私のドイツ語に対する恐怖は怒りへと変わった。ここまで私を苦しめるドイツ語、ならば貴様が英語に本当に似ているのか、簡単なのか確かめてやろうではないか。
調べてみると確かにドイツ語と英語の共通点は少なくなかった。そもそも英語とドイツ語は両方とも西ゲルマン語を始祖にもつ、いわば親戚なのである。
言われてみると、英語のcomeがドイツ語だとkommeであったり、夜を意味するnightはドイツ語だとnachtであったり..
確かに似ている。だがまだ私はドイツ語が簡単だとは認めてやらない。
もしドイツ語が簡単だと言うならば、なぜ私は貴様に苦しめられているのか。
それは、「変格が多い」からであった。
しかも変化のバリエーションがとても多いのである。さらに、変格させるものは動詞だけではない。名詞や、英語でいうところのa、an、そしてtheなども変格させる必要があるのだ。
加えて、文法絶対主義や男性名詞、女性名詞、中性名詞…など。
ただでさえマルチタスクができない私にドイツ語は難しすぎた。
「ドイツ語をやらないなら、帰れ。」
誰かにそんなことを言われたような気がした。
私は今日も「世界の中心でドイツ語の難しさを叫んだけもの」となる。
(ライター:セトァ)