やむ、なやむ、きにやむ

悩むって何だろう

私の好きな雑誌、『Tattva』の第1号で「なやむをなやむのはきっといいこと」という特集だった。今回は「悩むこと」について悩んでみることにしよう。

 

私は「病む」という言葉が好きではない。


悩んでいたり、深く考えたり、落ち込んでいたりする人のことを、主に若者が「病んでいる」と呼ぶ。「気に病む」という言葉からきているのであれば、完全に間違った表現とも言えないが、違和感は拭えない。「病んでいる」と言われると、「病気」や「腫れ物」のようなニュアンスを感じてしまう。

 

私達は生きていく中で色々なことを自分で考えて判断しなければならない。そんなとき悩むのは避けられない。考えて判断してもうまくいかないこともあるだろう。そんなときに落ち込むのも自然な反応だ。そういった自然な心の動きを病気扱いしてはいけない。

 

何も考えず機械的に生きていくほうがその場では楽かもしれない。しかし、それは同時に人間的な生き方を失っていくことにもつながる。「悩む」や「考える」のは人間的に生きる上で必要な行為であり、決して避けられない。

 

もちろん悩みすぎるのも良いこととは言えない。大事なのは悩んだり考えたりしている「自分」との向き合い方である。気持ちが沈むことを安易に「悪いこと」と断じず、自分に起きていることを、ありのままに捉えられるようになることが、必要なのではないだろうか。

 

(ライター よっしー)