勝つための判断力 

~リスクの取り方~

先日、日本代表が14年ぶりのWBC世界一を成し遂げた。普段対戦ゲームをよくやる筆者から見たとき、勝負事に共通する「勝利の秘訣」が準決勝メキシコ戦にあったように感じる。

 

日本3―4メキシコ、で迎えた9回裏の日本の攻撃、吉田選手が四球を選び、無死1,2塁となった。この時、栗山監督は1塁に代走として周東選手を投入したが、この判断に不安を感じた人も少なくないのではないだろうか?

 

吉田選手はその日、日本打線が苦戦する中で唯一絶好調の選手である。ここで交代するとこの回で逆転しきれなかった時、延長戦で吉田選手の力を借りられない。

 

一方で周東選手は昨年パリーグ2位の盗塁数を誇る日本トップクラスの俊足の選手である。彼を1塁に投入することでワンヒットが、同点延長戦から逆転勝利への可能性を広げられる。

 

結果として、栗山監督は延長戦で吉田選手がいないリスクよりも、この回で逆転する確率を上げる判断をした。実際にはこのほか無数の選択肢から選び抜き、見事サヨナラ勝利を掴み取った。この必要な「リスクを取る」判断こそが勝負事に共通する「勝利の秘訣」である。

 

 

もちろん闇雲にリスクを取る判断が良いわけではない。リスクとメリット、その期待値を考慮し、「適切なリスクを取る」ことが求められる。何が適切か、準備や練習、経験、直感が教えてくれる。日本が優勝するに至るまで沢山の選択をしてきた監督やコーチ、選手に唯々尊敬する事しかできない。 

(ライター よっしー)